私の29週早産(帝王切開)の体験談を連載しています。
②突然の破水 – 油断が招いた私の早産体験談の続きです。
お腹が強く張る
しばらくして産婦人科病棟に移され、深夜になっても不安なまま眠れないでいたところ、お腹がそれまで以上に強く張るのを感じました。
さらにそれはどんどん間隔がせばまっていきます。
(これは、何か今までとは違う気がする・・・)
すぐにナースコールを押して先生に来てもらい診察となったのですが、
これは、もうだめですね。もう抑えられません。
赤ちゃんが苦しんでいるので生んでしまいましょう。
この病院に移ってから更に強力な張り止めに加えて陣痛抑制剤も投与されていたのですが、残念ながら私には効きませんでした。
ここまできてしまったらもう仕方がありません。
先生方を信頼して早く赤ちゃんを取り出してもらわないと、ずっと苦しいままでは可哀想です。
緊急帝王切開
この病院の方針では、胎児の体重が1,500グラムに満たないと思われる場合、帝王切開になります。
なので私が運ばれた先は分娩室ではなく手術室で、当然上がるのも手術台です。
背中から麻酔を入れられ、胸の辺りまで感覚が無くなれば手術が始まります。
「どうですか?まだ感覚あります?」
看護師さんが鎖骨の下辺りを触って確認します。
「えっと、まだちょっとあるような・・・」
すると肋骨あたりにある目隠しの向こうから先生の声が。
「え?本当?もう切り始めちゃってるんだけど大丈夫でしょ?」
(って切ってるんかーい!)
こんな状況なのに笑いが込み上げてきてしまいました。
効いてなかったらどうしてくれるのか。
まあ緊張がほぐれたので良しとします。
か細い鳴き声
手術開始からおそらく一時間も経っていないころでした。
もう赤ちゃんが出ますよ。・・・はい出ました。おめでとうございます。
・・・
「アッ、アー・・・、アー・・・」
耳を澄まさないと聴こえないくらい、か細い泣き声でした。
想像していた新生児の泣き声とは全然違います。
それが聴こえた瞬間、私の涙腺は崩壊しました。
みっともないくらいしゃくりあげて泣いてしまったのです。
その時の感情は、今でもなかなか説明することができません。
未熟な肺で必死に上げる産声に、
(ちゃんと泣いてる!本当に良かった!でも、苦しい思いをさせてごめんね・・・。)
ほっとしたはずなのに、生まれてきてくれて嬉しいはずなのに、申し訳ない気持ちの方がずっと大きかったです。
小さな赤ちゃん
先生が赤ちゃんを見える所まで連れて来てくれたのですが、両手で掬い上げられるくらいの小さな小さな赤ちゃんは、私の知る新生児とは全く違う、いかにもまだ“胎児”といった見た目をしていました。
呼吸のサポートのためにすぐに連れていかれたので触れることもできず、結局その日はもう赤ちゃんに会うことができませんでした。
29週早産(帝王切開)の体験を連載しています(全5回)
著者:カンカン
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