私の29週早産(帝王切開)の体験談を連載しています。
③緊急帝王切開 – 油断が招いた私の早産体験談の続きです。
無事産まれてきてくれたものの
極低出生体重児
生まれた赤ちゃんは体重1263g、極低出生体重児(1500g未満で生まれた新生児)でした。
出産の二日後、まだまともに歩けないので看護師さんに車いすを押してもらって赤ちゃんのいるNICUに行き、案内された保育器の中を覗き込むと、呼吸器のようなマスクをつけられた赤ちゃんがうつぶせで寝ていました。
色々なものが付けられていて顔はほとんど見えません。
「低出生体重児」とは、2500g未満で生まれた赤ちゃんのことです。
特に、1500g未満で生まれた「極(ごく)低出生体重児」、1000g未満で生まれた「超低出生体重児」の赤ちゃんは、高度な医療ケアが必要になります。
管・点滴・センサー・マスク
口には管が入り、小さな手足にもセンサーやら点滴やら色々なものがついていて、かなり痛々しいです。正直、最初に見たときはショックでしたね。
まだ自力で呼吸するのは難しいのですが、人工呼吸器が必要なほどではないので、鼻から空気を送るマスクをつけられていました。
また、母乳を吸うことができないので、口から胃に管を入れて少しずつ注入し、それだけだと栄養が不足するので点滴も併用しています。
足には心拍や血中酸素を測るセンサーが付けられ、常にモニタリングされています。
そして黄疸がかなり強く出ていたので、光線治療をするために目を保護するガーゼが当てられていました。
きっちり手指を消毒してそっと背中を撫でてみると、ちょっとだけもぞもぞと動いてくれました。
手足が細く、あばらが浮いて見えるほどやせ細っています。
本当ならこれから私からもらった栄養を蓄えていくはずだったので、まだガリガリです。
体重3000g以下用の小さいおむつを、さらに折って使っていました。
早産児のリスク
先生から早産児のリスクについて説明がありました。
・脳室内出血:脳室の中に出血している可能性があり、その出血がひどいと水頭症を起こすかもしれない。
・脳室周囲白質軟化症:脳の白質部分が壊死する病気になっているかもしれない。
・動脈官開存:本来出生後自然と閉じるはずの動脈管が閉じなかった場合、最悪の場合は手術になる。
・未熟児網膜症:網膜の血管が異常増殖すると起こり、網膜剥離を起こすこともある。
他にも免疫が足りずに感染症にかかりやすい、貧血になりやすい等々たくさんのリスクについて説明されました。
医療が発達してきたのでそれらの心配はあまりなく、障害が残る可能性も高くないとは言われましたが、あまりに不安です。
しかもまだ小さすぎてMRIなどの検査はできないので、頭の中がどうなっているかは、もっと大きくなるまでわからないのです。
この時は順調に育ってくれることを願うばかりでした。
出産から一週間後、私だけ先に退院になり、ここから子どもに会いに通う日々が始まります。
29週早産(帝王切開)の体験を連載しています(全5回)
著者:カンカン
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